呉江浩大使、言論NPOの「中国学習会」で講演
2024/04/11

  3月28日、呉江浩大使は言論NPOの「中国学習会」に招かれて講演した。明石康元国連事務次長、川口順子元外相、武藤敏郎「北京‐東京フォーラム」日本側実行委員長、山口広秀元日本銀行副総裁、中尾武彦元アジア開発銀行(ADB)総裁、平野信行経団連副会長、工藤泰志「言論NPO」代表ら日本の政治・経済各界の要人やメディアの幹部40人近くが出席した。大使館からは張沛霖公使参事官が出席した。

  呉大使は中日関係の情勢について全面的に説明し、最近の中日関係は一連の複雑で敏感な要因に直面しているが、徐々に正しい軌道に戻っているとし、次のように述べた。習近平主席と岸田文雄首相は昨年11月にサンフランシスコで会談し、中日戦略的互恵関係の全面的推進を再確認し、両国関係の改善と発展に向けて方向を示した。両首脳はまた、中日間の各レベルでの対話と意思疎通を維持し、適切な時期に中日ハイレベル経済対話の新ラウンドを開催し、中日ハイレベル人・文化交流協議メカニズム会合を開催することで共通認識〈コンセンサス〉に達し、両国の政府官庁は現在、具体的な手配について協議している。

 呉大使は次のように述べた。中日双方が四つの政治文書の原則を厳守する限り、中日関係に乗り越えられない障害はない。世界は岐路に立っており、日本がどのように自身の行動を決めるかは非常に重要だ。いわゆる「ルール」についてよく語る人がいるが、率直に言って、こうした「ルール」のほとんどは米国が主導し、米国の意思と利益を反映したものであり、しかも米国の必要に応じて随時調整・変更されている。真の国際ルールは、各国が共同で協議して決めるべきだ。

 呉大使は次のように述べた。現在の中日間の世論環境は良くないが、その重要な原因は中国に対する日本の国内認識である。中国が「これまでにない最大の戦略的挑戦」と位置づけられ、毎日のように「中国の脅威」を盛んに言われれば、国民感情は当然良くならない。日本政府は2024年の外交青書の中に「日中の戦略的互恵関係の全面的推進」を新たに盛り込む予定だと言われる。もしそれが本当なら、ポジティブなシグナルとなるだろう。

 呉大使は次のように述べた。中日両国は戦略面から大きな方向をしっかりとつかみ、首脳会談の重要なコンセンサスを真剣に実行に移し、対話と交流を積極的に行い、相互信頼を持続的に深め、中日関係が正しい軌道に沿って安定的に推移するよう図らなければならない。民間の活力を刺激し、人・文化交流を拡大し、実務協力を深めなければならない。中日関係の未来を担う若い世代が、より客観的に互いを深く理解するために、できるだけ早期に大規模な青少年相互訪問計画を再開したい。

 呉大使は次のように述べた。言論NPOと中国が共同で「北京-東京」フォーラムを開催して今年で20年目になるが、これを機に、フォーラムの今後の発展の方向を考え、両国の民意の改善を導き、中日関係に関する両国各界の権威ある助言、意見のベンチマークとなることを希望している。

 日本の人々は、日中関係、両国の経済貿易協力、青少年交流、中国に関する世論などについて感じたことや提案などを語り、呉大使はそれらに一つ一つ答えるとともに、台湾や歴史問題、ウクライナ危機などについて会場から寄せられた質問に答えた。