トップページ > 新着情報
胡錦涛主席の第64回国連総会一般討論での演説全文

    胡錦涛国家主席は23日、ニューヨークで第64回国連総会の一般討論に出席した際、「同舟相救い、共に未来を築こう」と題する重要な演説を行った。全文次の通り。

    議長、同僚の皆さん、ご列席の皆さん

    今日の世界はまさに大発展、大変革、大調整の時期にあり、平和、発展、協力という時代の潮流は一層力強くなっている。世界の多極化、経済のグローバル化が一層進み、多国主義と国際関係の民主化が人々の間に浸透し、開放・協力、互恵・ウィンウィンが国際社会の幅広い共通認識(コンセンサス)になり、国家間の相互依存が一層深まっている。

    同時に、世界的金融危機の影響はなお続き、世界経済回復の先行きはなお不透明で、世界の失業・貧困人口数が上昇し、不均衡が一層際立ち、気候変動、食糧安全保障、エネルギー・資源安全保障、公衆衛生安全などの地球規模の問題が一層顕在化し、テロ、大量破壊兵器拡散、国際的組織犯罪、重大な伝染性疾患など非伝統的安全保障の脅威が依然として存在している。一部の焦点問題が長い間解決されず、地域紛争があちこちで起こり、国際情勢における不安定不確定要因は世界の平和と発展に厳しい挑戦を突きつけている。

    かつてないチャンスと挑戦(試練)を前にして、国際社会は引き続き手を携え肩を並べて進み、平和、発展、協力、ウィンウィン、寛容の理念を掲げ、平和が永続し共に繁栄する調和世界の建設を促進し、人類の平和と発展の崇高な事業のためにたゆまず努力すべきである。

    第一に、より広い視野で安全保障をみつめ、世界の平和・安定を守る。人類の歴史で、各国の安全保障が今日ほど緊密に結びついたことはない。安全保障の中身はたえず拡大し、伝統的安全保障の脅威と非伝統的安全保障の脅威が織り混ざり、政治、軍事、経済、文化など諸々の分野に及び、各国にとっての共通の挑戦となっており、総合的手段によって共同で対処する必要がある。安全保障は孤立した、ゼロサムの、絶対的なものではなく、世界と地域の平和・安定がなければ、一国の安全・安定はない。

    われわれは相互信頼、相互利益、平等、協業に基づく新しい安全保障観を堅持し、自国の安全を守るとともに他国の安全への関心をも尊重し、人類の共同の安全保障をはかるべきである。国連憲章の目的と原則を堅持し、地域の焦点問題と国際紛争の平和的方法による解決を堅持し、勝手な武力使用または武力による威嚇に反対すべきだ。国連が国際的安全保障分野で引き続き重要な役割を果たすことを支持すべきだ。平等、互恵、協力の精神を堅持し、世界の経済・金融安定を保障すべきだ。あらゆる形のテロリズム、分離主義、過激主義に反対し、国際的安全保障協力をたえず深めるべきだ。

    核兵器を全面禁止、完全廃棄し、核兵器のない世界を築くことは、中国の一貫した主張である。国際社会は核軍縮を着実に進め、核兵器拡散の危険を取り除き、原子力平和利用とその国際協力を促すべきである。

    第二に、より全面的な観点で発展を扱い、共同の繁栄をはかる。経済のグローバル化がさらに進んでいる大きな背景の下で、各国の発展は深く結びついている。発展途上国の普遍的発展と平等な参画なくして、世界の共同の繁栄はなく、一層公平で合理的な国際経済秩序はつくれない。世界的金融危機の衝撃を受けて、発展途上国の外部環境は悪化し、経済成長は軒並み減速し、発展は重大な困難にぶつかっている。

    われわれは共同の発展をはかることを世界の不均衡を解消し、持続可能な発展を実現する重要な方途とすべきである。国連は発展問題に対する投資を増やし、経済のグローバル化を均衡のとれた、広く恩恵の及ぶ、ウィンウィンの方向へ発展させ、途上国の発展に有利な国際環境づくりに努めるべきである。国際金融機関は新たに増えた資源をまず途上国の貧困脱却を助けることに使い、一層柔軟多様で、一層円滑迅速な方法で貸し付けを行うべきである。国際金融体制の改革では、発展途上国の代表性を高め、発言権を強めることにしっかり取り組むべきである。

    われわれは世界的金融危機に対応する責任ある措置をとって、保護主義に強く反対し、ドーハラウンド交渉で早期に全面的、均衡のとれた成果が得られるよう積極的に促進すべきである。先進国は途上国に市場を開放し、関税を減免し、政府開発援助(ODA)と債務減免の約束を実現し、特に後発途上国への援助の度合いを強め、これらの国が抱える飢餓、医療、教育などの問題を重点的に解決すべきである。

    発展途上国は自主発展に立脚し、発展の実現、貧困の一掃に役立つモデルを模索すべきである。発展途上国は貿易と投資の協力を拡大し、相互に市場を開放し、南南協力のレベルを引き上げるべきである。

    第三に、より開放的な態度で協力を繰り広げ、互恵・ウィンウィンを推進する。気候変動、食糧安全保障、エネルギー・資源安全保障、公衆衛生安全など地球規模の挑戦を前にして、いかなる国も自分の身だけを守るのは不可能である。国際協力は挑戦に対応し、調和と安寧を確保するのに必ず通らなければならない道である。われわれはウィンウィンの理念を打ち立て、自国人民の利益と世界人民の共通の利益を結びつけ、各国の利益の接点を拡大すべきである。

    気候変動は人類の生存と発展が受けている厳しい挑戦の一つである。国際協力は気候変動対応のカギである。われわれはあくまでも「国連気候変動枠組み条約」と同「京都議定書」を主要なルートとし、共通だが差異ある責任の原則を堅持し、「バリ・ロードマップ」の授権を堅持し、コペンハーゲン会議を成功させて、互恵・ウィンウィンを実現するよう努力すべきである。

    食糧およびエネルギー問題は各国の民生、発展、安定にかかわっている。われわれは農業投資を増やし、先進的技術を発展させ、市場の投機を抑制し、食糧援助を増やし、農業と食糧の協力を強化すべきである。エネルギー開発・利用面の互恵協力を強化し、新エネルギーと再生可能エネルギーの開発を急ぎ、先進的エネルギー技術の開発・普及体制を築き、エネルギー供給の多様化を実現すべきだ。

    A型インフルエンザの持続的蔓延は国際社会が共に直面する地球規模の公衆衛生の挑戦になっている。中国は発展途上国のA型インフル予防・抑制を可能な限り援助する用意がある。

    第四に、より広い度量をもち、互いに寛容であり、調和・共存を実現する。異なる文明が交流し参考にし、すべてを受け入れることは、社会進歩の尽きることのない原動力である。各国はその大小、強弱、貧富を問わずすべて平等である。われわれは各国の文化的伝統、社会制度、価値観の違いを認め、各国が進む道を自主的に選ぶ権利を尊重すべきである。人権を積極的に促進、保障し、対話を強化し、溝を取り除くべきである。開放・寛容の精神を提唱して、異なる文明と発展モデルが競争と比較の中で長所をとって短所を補い、小異を残して大同につく中で共に発展するようにすべきだ。

    議長、同僚の皆さん

    中国人民はまもなく中華人民共和国成立60周年を迎える。60年前、中国人民は長期の刻苦奮闘を経て、民族の独立と人民の解放を実現し、人民が主人公になる新中国を樹立した。30年前、中国人民は改革・開放と社会主義近代化の偉大な征途に就いた。中国の社会はかつてない活力と創造力を生み出した。そして今日の中国は、総合国力が著しく強まり、人民の生活が全体として小康の水準に達している。中国の発展は世界の平和と発展に大きな貢献をした。

    過去は前進を続けるための基礎で、未来を開くための啓示(ヒント)である。われわれは、中国は依然として発展途上国で、わが国が発展の過程でぶつかっている矛盾と問題はその規模からいっても複雑さからいっても世界的に類がないことをはっきり認識している。中国が十数億の人口に恩恵の及ぶより高いレベルの小康社会を全面的に完成させ、さらに近代化をほぼ実現し、すべての人民が共に豊かになるには、なお長い道を歩まなければならない。中国は引き続き自国の国情から出発し、中国の特色ある社会主義の道を堅持し、経済建設中心を堅持し、改革・開放を堅持し、経済、政治、文化、社会建設およびエコ文明建設を全面的に進め、本当に人民のために発展をはかり、人民に依拠して発展をはかり、発展の成果を人民が共有できるようにし、人間中心(人を以て本と為す)の、全面的で調和のとれた持続可能な科学的発展の実現に努める。

    中国の前途・運命は世界の前途・運命と日増しに強く結びついている。中国が発展するほど、世界への貢献は大きくなり、世界にもたらすチャンスも大きくなる。中国は常に変わらず平和的発展の道を歩み、常に変わらず互恵・ウィンウィンの開放戦略をとり、平和共存5原則の堅持を踏まえてあらゆる国との友好協力を発展させる。中国は過去も、現在も世界平和を守り、共同の発展をはかる積極的な力であり、将来もそうなる。

    責任ある発展途上の大国である中国は以前から共同の発展をはかることを外交政策の重要な内容とし、他の発展途上国を支援し援助するため力を尽くし、国連「ミレニアム宣言」での約束をすでに果たした。現在までに、120余りの国に援助を行い、計49の累積債務国と後発途上国の債務を免除し、40余りの後発途上国の商品に対する関税をゼロにした。

    世界的金融危機の発生後、中国は大きな困難を抱えながらも、人民元為替レートの基本的安定を維持し、国際貿易の健全な発展を守るために重要な役割を果たした。われわれは国際金融公社(IFC)の貿易金融プログラムに積極的に参加し、国際通貨基金(IMF)に資金を提供、主に発展途上国援助に充てた。わが国は関係途上国と二国間通貨スワップ取り決めを結んだ。わが国は「中国―ASEAN投資協力基金」を設立し、上海協力機構(SCO)加盟国に融資を行い、東アジアの地域外貨準備体制づくりに積極的に参加した。

    発展途上国を一層援助するため、中国はさらに次のような措置を講じる。

    ――世界的金融危機の影響の深刻な発展途上国への支援を引き続き強化し、関係増資・融資計画を真剣に実行に移し、貿易と投資分野の協力を強化し、関係諸国の金融リスク防御と持続可能な発展の能力を増強する

    ――中国が国連ミレニアム開発目標(MDGs)ハイレベル会議で示した、途上国の発展加速を助ける措置を引き続き実行に移し、MDGsの実現をはかる。

    ――中国アフリカ協力フォーラム北京サミットで決まったアフリカ援助の諸措置を引き続き実行に移し、アフリカへの援助を増やし、累積債務国と後発途上国の債務を減免し、対アフリカ貿易・投資を拡大し、農業、衛生、教育、防災・減災などの分野でアフリカ諸国への人力と技術の支援を行い、アフリカ向けの人的資源訓練を強める。

    ――地域の通貨金融協力に引き続き参加し、これを促進し、金融・経済情勢の安定を守り、地域の金融協力と貿易の発展をはかる。

    議長、同僚のみなさん

    同舟相救うことと互恵・ウィンウィンは時代が客観的に求めているもので、各国の共同の発展と繁栄を実現するのに必ず通らなければならない道である。手を携え、発展のチャンスを共に享有し、さまざまの挑戦に共同で対応し、平和が永続し共に繁栄する調和世界建設のためにたゆまず努力しようではないか。    (国連9月23日発新華社)



[Suggest To A Friend]
       [Print]